3階建木造住宅、2階耐震補強工事と和室2間をリビングへリフォーム工事のご依頼。既存の3階建のお住まいを詳細に調査を行いました。梁の大きさや梁柱の組み方、耐力壁の位置関係に基き、許容応力度計算という詳細な構造計算を行い、計算結果に基いたバランスの良い補強工事をさせて頂いております。建物の重心(中心)が耐力壁の位置による力の剛心(剛性の中心)から離れていると、地震等の外力が加わったときに、建物は剛心を中心とし、重心が振り回されるように揺れ、ねじれを生じます。重心と剛心が一致しているとねじれが生じにくく、重心が剛心から大きく外れた位置にあるほどねじれが生じやすくなります。これを偏心率といい、偏心率が大きいほどその揺れは大きくなりやすいので、今回は既存の耐力壁も考慮し、バランスよく壁を補強することで、偏心率を小さくする工事を行っております。また壁だけの補強で頼るのではなく、床を、剛床構造(梁の間に小梁を入れ格子状に組み、その上に24mmの構造合板を釘で止め2階全体の床を一体的な構造とする工法)にするをすることで、地震や台風による、横からの力に対して水平剛性を発揮し、外力をバランス良く耐力壁に伝えます。耐震性と耐風性を上げるには床補強も、大切です。一般の床構造に比べて約3倍程の強度が上がります。多くは耐震補強工事は工事のしやすい部分だけを補強して、揺れに対してバランスの悪い補強されることが多くあり、せっかく費用か掛けられて、バランスのくずれた偏心率の悪い地震に弱いお家になってしまうことも多くあります。とても無駄な費用です。今のお住まいのお家も、効率よく補強されることで、費用も抑えられ、価値ある耐震補強が出来ます。あまり費用を掛けずに、将来的な計画で、段階的に補強をすることもよいと思います。
【既存床を解体し、小梁を入れ補強工事中の写真】
【京都市中京区 3階建木造住宅の耐震補強工事中】